本来は電気工事をおこなう際の部品として使用されていた結束バンド。
バンドを一度締めると緩むことがなく、しっかりと配線を固定できるという特性から、今では多用途に使われるようになったアイテムです。そもそもなぜ結束バンドは一度締めるとバンドが緩まないのかというと、トラッキングという凹凸がバンドの裏面に刻まれているからです。凸部分は一定方向に向いており、凹部と噛み合わさることで緩むのを防いでいます。現在結束バンドが使用されている場面としては、沿岸部地域の大型ソーラーパネルの固定向けの需要が高まっています。
以前であれば地面に固定した土台とソーラーパネルをナット部品を使って接続していましたが、コストが大きく掛かるというのがデメリットでした。ところが2010年に寒冷地対応のソーラーパネル固定用バンドが開発され、今では国内だけでなく世界各国で使用されているほどです。寒冷地対応の結束バンドとは、一般的な塩化ビニール製またはステンレス素材のバンドとは違って-15度の極寒地域で用いても劣化しないのが特徴です。
これを可能にしているのは、繊維質になっている銅線をバンド内に含ませて耐久度を増しているからです。寒冷地の場合、朝晩の気温差が激しいので塩化ビニールまたはステンレス製だと割れてしまう恐れがあります。そのため大型ソーラーパネルの固定には不向きでしたが、弱点を補う素材を組み込んだことで更なる進化を遂げたのが寒冷地対応の結束バンドです。